オンデマンドのプランの一部には,CMYKの4色のうち任意の2色を使って,お手軽な価格で2色のプリントができるプランがあります.
色の組み合わせは「シアン+マゼンタ」「シアン+イエロー」「シアン+黒」「マゼンタ+イエロー」「マゼンタ+黒」「イエロー+黒」の6通りになります.
原稿はCMYKの形式で,うち2色だけを使うようにして作り,そのままCMYKの形式で保存します.
ファイル形式は通常通りEPSまたはPDFで保存してください.
カラーモードはCMYKを選び,手順としてはフルカラーの原稿と同じように作りながら,「CMYKのうち選択した2色だけが出力される(2色は出力されない)」という前提で,その範囲の色を使って作ります.
例えば「C+M」の組み合わせを選んだときは,「C:0~100%,M:0~100%」の範囲で作ります.このとき緑に塗るとシアンに,赤く塗るとマゼンタになります.(イエローが出ないため.)
データが仕上がったら,そのままCMYKのデータとして保存してください.(RGBやマルチチャネルなどには変更しません.)
プリンテックDIYのセルフコピー機にも従来から「2色プリント」の機能がありますが,それとは異なるものです.
セルフコピーの「2色プリント」は,原稿の黒の部分を色のついた部分を見分け,黒い部分を黒,色の部分を指定色1色で出力する機能です.色の部分はどの色でも指定色になるため,「黒+マゼンタ」で作った原稿を「黒+シアン」で出力することもできます.
ここで紹介する2色刷りは,CMYKのうち任意の2色だけを印刷する(その他の2色をカットする)ものです.このため,
・1色が黒でなくても,例えばC+M,C+Yのような組み合わせもできます.(この場合黒は出ません.)
・色は塗った色しか出ません.例えば線を黒,塗りつぶしをマゼンタで作った原稿を「黒+シアン」で出力した場合,セルフコピーならマゼンタで塗ったところがシアンで出てきますが,ここでの2色刷りは黒の部分しか出てきません.
・よって原稿は出力したい色で,CMYKのうち2色しか使わずに作る必要があります.
・2色の選択はページごとに変えることができません.本の本文に使う場合,最初から最後まで「C+M」「M+Y」などの1種類にする必要があります.
・本文中で2色をフルカラーや黒と併用することができません.(黒は選んだ2色の組み合わせに黒が入っていれば事実上併用可能ですが,黒が入っていなければ出ません.)
・例えば「黒+赤」のような3色必要な組み合わせは出ませんので(赤だけでMとYが必要),2色でできる範囲でうまく原稿を作る必要があります.
・既存のフルカラーや多色の原稿は,Photoshopの「チャンネルミキサ」を使うと簡単に2色に分けられることがあります.(上の見本写真は元原稿が「CとMとKを使った原稿でインキの組み合わせを変えたオフセット3色刷り」のものですが,この3色をチャンネルミキサで指定の2色に分版しています.必ずしも1:1にこだらわない分け方をするのがコツです.)
・この出力はいわゆる単色カラーではありませんが,CMYKのうち2色でできる色(例:C+Yで緑色)であれば,原稿をすべてその色で作れば事実上単色カラーになります.